「蛍になって帰ってきた人~行ってきますの約束」
前回のブログ↓↓↓
先日は第79回目の終戦記念日でした。
毎年8月は戦争に思いを馳せる月です。
多くの日本人にとっては戦争というものは
本や映像で見るものという認識だと思います。
百田尚樹さんが『永遠の0』で
特攻隊員のことを題材に小説を書いています。
戦争を体験した人が
あと少しでいなくなってしまう。
その記憶をたどるため、
20代の青年の目を通して
戦争を見ていく内容でした。
この小説は2013年に映画化され
ヒットしました。
公開からすでに11年経ってしまいました。
1945年(昭和20年)に
20歳の若者も、99歳になるのです。
残念ですが今の私たちにとっての戦争とは
もう歴史になってしまったようです。
江戸時代や万葉の時代の人たちに
思いを馳せることに似ているような
感覚を持ちます。
その反対に、アメリカドラマを見ていると
戦争がまだ肌感覚として残っているのがわかります。
「BONES」(ボーンズ)2005年~
法人類学者を主人公にした犯罪ドラマですが、
相棒にブースという戦争経験者の
FBI捜査官がいます。
ブースを見ているとアメリカは日本みたいに
70年以上前に戦争が終わっていない国
というのが分かります。
太平洋戦争後も朝鮮戦争、
ベトナム戦争、湾岸戦争
イラク戦争と戦争が続いています。
アメリカ人の生活の中に根付いているのが
戦争だと感じます。
ある面歴史になってしまった日本の戦争で
今に引き続かれているのが
「広島、長崎の原爆」
「神風特攻」
ではないかと思います。
「神風」は「外道の作戦」「犬死」などと
捉える人もいますし、
また違った視点で
「神風が日本を救った」と捉える人もいます。
賛否両論があっても79年経った今も
語り継がれていることには意味があります。
今日は日本の感性の視点で特攻隊員を
見ていきたいと思います。
前回のブログで、挨拶に残る祖霊信仰として
「行ってきます」「ただいま」の話を書きました。
(冒頭にリンクを貼ってます)
それを思うと特攻隊員は
「行ってきます」と言えなかったのです。
「行ってきます」とは、帰る約束をする言葉。
特攻は敵艦に突っ込んでいきます。
もう帰ってこないのです。
だから、彼らは出発するときに
「行きます!」
と言って出かけていきました。
その心情を思うと胸が痛くなります。
「行ってきますと言えなかった若者」
そういう人たちが79年前にいたのです。
そしてそれとは違った話があります。
「行ってきます」と言って
飛び立った特攻隊員もいるのです。
それが鹿児島知覧(ちらん)にある
「冨屋食堂」鳥濱トメさんの
エピソードにあります。
知覧は特攻隊員が出撃した陸軍の基地が
あった場所です。
今はその知覧は記念館になって、特攻隊員の
遺書などが展示してあります。
その知覧にあった食堂「富屋食堂」の
話です。
宮川軍曹が特攻が決まって
いつもお世話になっている「冨屋食堂」に
いき、鳥濱トメさんに伝えます。
僕は特攻にいくことが決まった。
思い残すことはないけど、
そうだおばさん(鳥濱トメさん)に
また会いたいな。
そのときは蛍になって帰ってくるよ。
鳥濱トメさんは何も言えませんでした。
そう言って宮川軍曹は飛び立っていきました。
「行ってきます」
そうして飛び立っていったのです。
それからしばらく経って
鳥濱トメさんの家の庭に一匹の
蛍が飛び込んできました。
それを見た娘さんが鳥濱トメさんに
声をかけます。
「おかあさん、
宮川軍曹が帰ってきたよ」
蛍を見ながら、鳥濱トメさんは
宮川軍曹が帰ってきたことを知るのです。
この考え方は多くの日本人が
共感されるでしょう。
帰ってくる日本人の魂、
これはいつの時代になっても
引き継いでいきたいです。
蛍になっても、この世に帰ってくる
そして、それを受け入れることができるのが
日本の文化です。
(おわり)
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