年末恒例のⅯ-1グランプリでは、残念ながら3年連続準優勝に終わってしまいましたが
誰もが認めるゆるぎない実力とライブチケットは即完売という今や超人気のお笑い芸人・和牛。
私は大阪で生まれ育ちましたのでお笑い系のチェックも欠かせませんが
言葉=言霊 を扱う話芸としても自然と関心が向きます。
元プロの料理人だったという水田さんの、多彩なキャラがどんどん暴走していきますが、受けて立つ川西さんのツッコミやコントの演技力(女性役)も負けていません。
誰よりも稽古に励み、漫才に対する二人の情熱が伝わってきます。
コンビを組み始めた頃は水田さんがネタを作り「てにをは」まで指示したそうですが、こういうところからしっかりと積み重ね、今は二人で作り上げているとのこと。
漫才に整合性一貫性を持たせる、嘘をつかないことを意識し「無駄な言葉はひとつもない」と言い切るプロ意識はさすがです。
名前のことだま®からお二人のお名前を見てみましょう。
水田 信二 (みずた しんじ)
川西 賢志郎 (かわにし けんしろう)
なんと、「し」と「ん」の共通の音を二つも持つコンビですね。これらの音の意味をさらに強め合う関係だということがわかります。
相方についてお互いに、家族が一番近い表現(川西)、味方は川西しかいない(水田)と述べているように、各々解散をくり返し、水田さんにとっては10人目に組んだ相方だということなので、ことだま同志の結びつきや絆の強さもうかがえます。
けんしろうさんの
「け」のことだまは(使命、役割)食(身体の栄養)と言葉(心の栄養)で人を成長させる
ということを表しますが、漫才の稽古では水田さん宅でいつも手料理をふるまってもらっていたとか。
これからも言葉を磨き、お笑いという心の栄養を多くの人たちに与えていってほしいですね。
し (意味)静める (働き)問題解決 知らせる (裏)トラブル
今や多種多様なネタで楽しませてくれる和牛ですが、中でも「へりくつ漫才」といわれた特徴的なものがあります。クレーマーのようなお客や、彼女ができたら束縛してしまうと心配する相談者や、料理自慢が嫌味にエスカレートしてゆく男性など、常軌を逸した存在感でしつこくからんできます。しかし、ついに逆切れされたりして、問題解決というより空中分解してしまうのですが、このウザイ人のネタは「し」のことだまからみても、和牛らしさが出ていると言えそうです。
特に、しんじさんには2つも「し」があるので、(問題を未然に収めておきたいが故に)細かいことが気になる人の感じもよく出ています。
漫才のやりとりを聞いていると中にはあながち解らなくもない、確かにそれはあるな、と思わせる言い分も結構あるんですね。
「し」のことだまはネガティブ(裏のことだま)が出ると、クレーマーですが、本来は前もって問題点を指摘する、問題提起(知らせる)の役割があります。細かいことでもちゃんと検証してゆくことも、また気にしすぎないことも両方大切ということを教えてくれます。
(ちなみに彼女と花火大会や牧場でデートする天真爛漫キャラは完全に癒し系ですね)
ん (使命、役割)完結 ステップアップ
掛け合いがヒートアップし、我々も巻き込まれていきますが、最後はいつも川西さんの「もうええわ」ですっきり収まり、観客も満足感で終わることができます。
漫才は生きざまであり、一生やっていこうと二人で決めている、とのことです。1回1回の舞台が真剣勝負であり、完結といえるでしょう。新しいチャレンンジに向かってさらにレベルアップ ステップアップした芸をこれからも期待したいです。