今月のブログテーマ「私の好きな日本文化」ですが
思いつくまま挙げてみても
万葉集、文楽、能楽、歌舞伎、雅楽、神社、寺院、仏像、城郭、石庭、墨絵、和服、和柄、落語、和食、和菓子、華道、茶道、書道
四季の移ろいを味わうこと
そして日本語。
もう、キリがないですね。
幸いにもそれらに囲まれて心豊かに生活しています。
日本文化の独自性や、深い安らぎのような感覚はどこからくるのか
その根源はどのようなものなのか
考えるよりも、感じてみることで私なりに探ってみたいと思います。
天地(あめつし)のいづれの神を祈らばか
愛(うつくし)母にまた言問(こととは)む
(巻二〇・四三九二 大伴部麻与佐)
(訳)天地のどの神に祈ったなら、また慕わしい母と話ができるのだろうか
という万葉歌があります。
私は、ここで表されている
「天と地のどっちの神様にお祈りするといいのだろうか?」
という問いかけに強い関心を持ちました。
天の神様だけではなく、地の神様からも、恵みを与えられたり、見守ったりされていると、古代の人々は当たり前に信じられていたのだろう、と気づかされたのです。
今の私たちは神様にご挨拶する時には鳥居をくぐりお社に向かいます。
なじみ深い、おそらく天界にお住まいであろう
有名な神様が祀られていることが多いことと思います。
では「地の神様」とはどのような神様なのでしょうか?
ここで思い出したのが「も」のことだまです。
名前のことだま®では「も」の意味には「母」「基」「元」がありますが、
同じ「も」の音から、「盛」「(繁)茂」「もやもや」といった言葉があり
地殻変動や浸食で出来た奇岩や川面にできる島(砂州)など
もくもく、もこもこと大地から現れたものとして根源に繋がっていると想像されてきたことでしょう。
そんな根源(=大地)から湧き上がってくる不思議な力。
見えなくても、その力を実感させられてきたものです。
古代日本では自然物には生物も無生物も精霊(spirit)が宿っていると信じ
それを「チ」と呼び、名称の語尾に付けました。
オロチ・イカズチ・カグツチ・ツチ(土)・ミチ(道)・タチ(刀)など。
神様ではオオナムチ、オオヒルメムチ、ウマシマチなどがあります。
また見えない力が形になったものとして
磐座や石神信仰などとして表れてきたものもあると考えられます。
具体的な好きな日本文化について述べるつもりが
個人的な宗教観に向いてしまいましたが
私が言いたかったのは、大地に密着し常に私たちと共にあり、
豊穣をもたらしたり、いのち・営みの守護など
「女性性」や「母性」を感じさせるものが
この国の底辺に流れていると思えることです。
そんな心地良さや安心感が至る所に溢れているのではないでしょうか。
当たり前すぎて忘れがちですが
私の中ではそれがこの国の文化の本質ではないかな、と感じています。
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