「おおげつひめ」(大気都比売)
「食事を与える女神」
今回は「おおげつひめ」です。
高天原から追放された「スサノヲ」が
お腹をすかせて困っていたところで
現れるひめ神です。
食事でもてなしてスサノヲの
空腹を満たしました。
さらに食事を所望したところ
快く準備をします。
食事を作っている所を
のぞき見たスサノヲは
その様子をみて驚きます。
「おおげつひめ」は鼻や口、尻から
食材を取り出し、それを調理していたからです。
「スサノヲ」は汚い物を食べさせていたと怒り、
「おおげつひめ」を斬り殺してしまいます。
その後、亡くなった「おおげつひめ」の
頭から蚕が生まれ、目から稲が生まれ、
耳から粟が生まれ、鼻から小豆が生まれ、
陰部から麦が生まれ、尻から大豆が生まれます。
食べ物をあたえてくれたひめ神を
汚いものを食べさせたと斬り殺す
理不尽な話です。
「おおげつひめ」に関しても
諸説ありますが、ことだま視点で
書いてみます。
「おお」=大きい
「げつ」=食べ物
「ひめ」=女性
食べ物の神様が
「おおげつひめ」です。
「け」は饌(け)で食べ物のことです。
食べ物を管理、コントロールして
いたのが女性であることがわかります。
今はいつでもどこでも
食べられますが、昔はそうではありません。
必要な食べ物を必要な時に
おわけしたのです。その重要な管理が
女性であったわけです。
いつ何を食べるか
どれだけ食べるか
誰と食べるか
この管理が女性が行ったのです。
食べられないことは死に直結していましたので
死活問題でした
その死活問題を管理する
ひめ神は重要な存在です。
今は家庭の食事を作るのを
雑用だと思う人もいるので
女性が損したなあと思う人も
いらっしゃいます。
神話を調べてみれば
食事を作るのは神事に繋がる
重要なものと認識できるのです。
日本の江戸時代はお米は
お金と同じ価値がありました。
それを考えるとお米、食事を
管理するのはお金を管理することにも
繋がるのです。
食事を管理するとは経済も管理する
ことになるので、そのことを教える
重要なひめ神が「おおげつひめ」なのです。