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命名言霊学協会

ことだま歳時記「さくらとことだま」~さくらの花見は神事である~

ことだま歳時記163

3月の歳時記⑧「桜」

「さくらとことだま」

 

「さくらの花見は神事である。」

「さくらの花見」に

ついて書いてみます。

 

「さくらの花見は神事である」

 

桜の話は名前のことだま講座の中でも

人気のある話のひとつです。

私たちの中に桜について

深い思いが隠されているようです。

 

日本人はなぜ桜が好きなのか?

古代の日本人は

山にカミさまがいると

考えていました。

 

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カミは上(カミ)にいる。

上にいるのが「カミ」さまなのです。

一番身近な上が山でした。

 

現在でも山の頂上に神社があるのは

それを教えています。

富士山(コノハナサクヤヒメ)

白山(シラヤマヒメ)など

高い山には山頂あたりに

神社の奥の院が鎮座しています。

 

日本人は山にいるカミのことを

「さ」の神と呼びました。

 

「さ」の神は私たちに

幸を与えてくれる神様です。

 

日本人は神様は幸を与えてくれる

存在として考えていました。

 

そして「さ」の神は

春になったら里に降りてきます。

 

「さ」の神は私たちに「幸」を

与えるために春夏秋と里に

とどまります。

 

「幸」をすっかり与えて

無くなるときが「秋」でした。

 

それで無くなった「幸」を増やすために

また山に戻ったのです。

 

それで「幸を増やす季節」を

「冬(ふゆ)」と呼んだのです。

 

冬の語源は「増ゆる」

幸を増やす季節と言えます。

 

秋に山に帰り、

冬の間に私たちに与えて

なくなってしまった

幸を増やして再び春に里に降りて

私たちに幸を与える、

 

そのサイクルを繰り返してきたのです。

「幸」を与える「さ」の神に

感謝の思いを表すことを

行っていました。

 

「さ」の神への感謝の思いを

今に残しているのが

「花見」と「祭り」になります。

 

花見と祭りは「さ」の神様に対する

喜びと感謝を表す神事でした。

 

祭りは神社が関係しているので

神事としてわかりやすいですが

花見も実は神事と言えます。

 

花見を「さ」の神が来るお迎え儀式。

祭りを「さ」の神を見送る儀式。

そのように見ると日本人が祭りと桜が

好きなのかの理由が見えてきます。

 

「祭り」とは神様が関わる行事なのです。

 

花見と言えば「桜」が思い出されますが

桜の花見と他の花見の違いを見てみます。

それが場所取りです。

 

場所を取って花見をするのは

桜しかありません。

 

そして花見の下でお酒を飲んだり

食事をしたり

楽しむのも桜の花見だけです。

これは神事だからです。

 

古来より神様に来ていただくためには

依り代(よりしろ)が必要でした。

 

依り代(よりしろ)とは神様が

来る、寄ってくるもののことです。

 

一般的には木や岩、物に神様が来ます。

時には人にも寄ってきますが、

原則変わらない物に降りてきます。

 

人は感情の起伏が多いのでなかなか

不動の思いになれないからです。

依り代の代表が「木」でした。

 

現在ではご神木などとしてあります。

桜の木は「さの神様」に

来ていただく依り代でした。

 

桜の木の下で幸を与える神様をお迎えする。

おもてなしの神事を行う。

 

これが桜の花見でした。

おもてなしの儀式に

必要なのが酒、食事、人です。

 

そして儀式を行うための場所が必要です。

それで桜の花見は場所取りが必要になります。

 

他の花見(梅、つつじなど)は

花を愛でるだけで

神事ではないので

飲食も場所も必要ないのです。

そして神様へのお供え物が必要です。

それが「お弁当」です。

 

「お弁当」は私が食べるものではなく

神様へのお供え物だったのです。

 

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神様に捧げたお弁当をさげてもらって

みんなで一緒に食べる

これを直会(なおらい)と呼びます。

 

直会(なおらい)の意味は

直す、普通に戻す意味です。

 

ハレの儀式(特別な行事)から

ケの儀式(日常生活)の戻す

直す意味があります。

 

花見が終わってから

普通の生活に戻る。

その時に花見で得た力を

日常生活で活かすことを

意味しているのです。

 

花見がインプットなら

終わったあとの生活が

アウトプットの生活が

始まるのです。

花見と共にスタートするのは

そんな意味も込められているのです。

 

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