「あまてらす」(天照大神)
大日孁貴(おおひるめむち)
日本神話の読み方は
人それぞれあって多様性があります。
いろんな見方ができるのも
日本神話の面白さでしょう。
一般的には次の見方をします。
①学術的(アカデミック)
②神社の話
①学術的な日本神話
古事記や日本神話を研究している方は
歴史的な視点で「古事記」を見ています。
1、いつ誰によって作られたか
2、目的は何か
3、内容の吟味
参考になります。
普通の人では面白くありません。
古文や歴史の研究の分野として
捉えられますので、それらが興味の
ない人にとっては全く意味をなしません。
②神社の話として日本神話
全国にある神社は日本神話を
ベースに、ご祭神や儀礼などを
構築しています。
またパワースポットや願掛け
(商売繁盛、合格祈願)など
ご利益として神社が好きな人も
います。
神社ブームはこのあたりの
方たちが作っています。
名前のことだまで伝えている
日本神話は
①②の両面を参考にしつつ
新しい視点で伝えています。
③生活の知恵としての日本神話
日本神話を知識としてではなく
知恵として使えるようにしています。
日本神話はいにしえの日本人が
私たちに残して生きる知恵
生活の知恵、人生のモデルです。
生活の知恵としての日本神話なので
古事記、日本書紀以外に実は
重要な書物があったなどの
話はしません(例、ホツマツタヱなど)
また隠された神、封印された神が
いるなどの話もしません。
日本神話の核は二つです。
伝えたいポイントですね。
①使命に生きること
②助け合って使命を成すこと
この二つなのです。
男女が助け合うことが
「ミソ」なのです。
古事記を読んでみると
ほとんどが男神と女神のお話
です。
登場する神々は
私たちがモデルとすべき生き方を
体現しているとみていきます。
①使命に生きる
日本の神々は
尊称として「神」「命」を
語尾につけることがあります。
「神」は使命を与える立場
「命」は使命を受け取る立場
誰しもが命を与えられているのは
「使命」を与えられているのです。
「あまてらす」(天照大神)の
使命は二つ
①照らす
②役を与える
「あまてらす」は父イザナギから
照らす使命と役を与える使命を
生まれたときにもらったのですね。
「あまてらす」は
古事記には「天照大神」と表記されていますが
日本書紀には別名として
大日孁貴(おおひるめのむち)があります。
これも神名法則から見ると
大=尊称
日=役目(照らす)
孁(め)=性別(特別な重要な女性につける)
貴=尊称(尊い人につける尊称)
ここでの重要なポイントは
孁(め)がつけられていることです。
これは天照大神のためだけに
作られた特別な漢字です。
下に「女」の文字がつけられています。
天照大神は女性という認識があった
わけです。
これはどうしてかと思うと
神話以前の縄文時代の日本人の記憶を
神話に残したのではないかと考えています。
縄文時代に女性が若者、男に
役割を与えていた名残を
天照大神に反映したのではないかと
思うのです。
今風に考えれば
天照大神の仕事は
仕事を作ることが仕事
男に仕事を与えることが
女性の重要な使命であったことを
暗示していると思うのです。
女性が働くんじゃなくて
男性に働いてもらう
それが神話の時代だったのではと
考えています。
最高神が「あまてらす」(天照大神)
であることは女性が太陽のように
輝く、照らす役割と共に
相手、男性が輝く、照らすように
なってほしい願いがあったのではと
思うのです。